【贈与でもらった額】|住宅購入時の贈与でもらった額はどう扱う?注意点を解説
2026.10.19
こんにちは!
家づくりワンポイント講座です。
「親から住宅購入資金として500万円援助してもらえることになった」
家づくりでは、親や祖父母から資金援助を受けるケースがあります。
自己資金が増えることで住宅ローンの借入額を抑えられる可能性があるため、家づくりの資金計画を考えるうえでも大きな助けになりますね。
一方で、
「この500万円には税金がかかるの?」
「住宅ローンの借入額はどうなる?」
「夫婦2人がそれぞれ贈与を受けたらどうなる?」
「もらったお金を土地代に使ってもいい?」
など、少し複雑に感じる部分もあります。
住宅取得のための贈与には、一定の条件を満たすことで贈与税が非課税となる特例があります。
今回は、住宅購入時に親や祖父母などからもらったお金について、自己資金・贈与税・住宅ローン控除との関係を整理して解説します。
■住宅購入時にもらったお金は「自己資金」として考えられる?
住宅購入や家づくりのために親や祖父母からもらったお金は、住宅ローンとは異なり、
返済する必要のない資金であれば、資金計画上は自己資金の一部として考えることができます。
たとえば、
自分たちの預貯金:300万円
親からの贈与:500万円
住宅ローン:3,000万円
という場合、住宅取得に使える資金としては、これらを組み合わせて考えることになります。
ただし、ここで大切なのが「自己資金として使える」ことと「贈与税がかからない」ことは別の話だという点です。
親から500万円もらった場合、その500万円が税制上どのように扱われるかは、贈与の内容や条件によって変わります。
■住宅取得のための贈与には非課税制度がある
父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得・増改築のための金銭の贈与を受けた場合、一定の要件を満たすと「住宅取得等資金の贈与税の非課税」の特例を利用できます。
2026年9月現在、この特例の対象となる贈与期間は2024年1月1日から2026年12月31日までです。
非課税限度額は、
省エネ等住宅:1,000万円
それ以外の住宅:500万円
となっています。
ただし、これは「誰からいくらもらっても非課税」という制度ではありません。
受贈者の年齢・所得、住宅の床面積、住宅性能、居住時期など、複数の要件があります。
■「父から500万円、母から500万円」なら1,000万円非課税?
ここは、特に間違えやすいポイントです。
たとえば、省エネ等住宅を取得するために、
父から500万円
+
母から500万円
=
合計1,000万円
の贈与を受けたとします。
この場合、父から1,000万円、母から1,000万円というように、贈与者ごとに1,000万円の非課税枠があるわけではありません。
国税庁によると、複数の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合でも、非課税限度額は受贈者1人につき1,000万円(省エネ等住宅の場合)です。
つまり、
「贈与者ごとに枠がある」のではなく、「贈与を受ける人ごとに限度額がある」
と考えると分かりやすいでしょう。
■「配偶者の親」からもらった場合は?
これも注意したいところです。
住宅取得等資金の非課税特例の対象となるのは、原則として受贈者本人の父母や祖父母などの直系尊属からの贈与です。
そのため、
夫が妻の父から贈与を受ける
という場合、妻の父は夫の直系尊属ではないため、この住宅取得等資金の非課税特例の対象にはなりません。
ただし、養子縁組などの場合には扱いが異なることがあります。
夫婦それぞれの親から資金援助を受ける場合には、
「誰が贈与を受けたことになるのか」
を明確にしておくことが重要です。
■「もらっただけ」ではなく、住宅取得に使う必要がある
住宅取得等資金の非課税特例は、住宅の新築・取得・増改築等の対価に充てるための金銭が対象です。
さらに、一定の要件として、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を住宅の新築等に充てることなどが定められています。
そのため、
「親から500万円もらったけれど、300万円だけ住宅に使って、200万円は貯金しておこう」
というようなケースでは、非課税特例の扱いについて注意が必要です。
単純に「住宅購入のためにもらったお金だから大丈夫」と考えるのではなく、実際の資金の使い方まで確認する必要があります。
■住宅ローン控除にも影響する場合がある
住宅取得時の贈与で、もう一つ確認しておきたいのが住宅ローン控除です。
住宅取得等資金の贈与について非課税特例などの適用を受けた場合、その金額は、住宅ローン控除の計算における住宅の取得対価などから控除する必要があります。
たとえば、住宅の取得対価が3,000万円で、住宅取得資金として800万円の贈与を受け、その贈与について特例の適用を受ける場合、
3,000万円 − 800万円 = 2,200万円
というように、贈与を受けた金額を考慮して住宅ローン控除の計算を行うことになります。
実際の控除額は、住宅の種類や入居時期、住宅ローンの年末残高など、さまざまな条件によって決まります。
したがって、
「贈与を受けた分だけ住宅ローンの借入額を減らせばいい」
という単純な話ではありません。
住宅ローン控除まで含めて資金計画を考えることが大切です。
■住宅購入以外の贈与と合算されることもある
同じ年に、住宅取得資金以外の贈与を受けている場合にも注意が必要です。
通常の贈与税では、1年間に受けた贈与財産の合計額をもとに贈与税を計算します。
暦年課税では、年間の贈与財産の合計額から基礎控除110万円を差し引いて計算します。
一方、住宅取得等資金については、一定の要件を満たせば住宅取得等資金の非課税特例と相続時精算課税を組み合わせることもできます。
つまり、
「住宅資金としてもらったから、ほかの贈与とは関係ない」
とは限りません。
同じ年に複数の贈与を受けている場合は、まとめて確認しておくことが大切です。
■贈与を受けたら、申告が必要になる場合がある
住宅取得等資金の非課税特例は、非課税限度額以内だからといって、何もしなくてよいとは限りません。
国税庁によると、非課税の特例を利用するためには、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、贈与税の申告書を提出する必要があります。
たとえば2026年中に住宅取得等資金の贈与を受けて、この特例を利用する場合、原則として2027年2月1日から3月15日までの申告期間に手続きを行います。
「非課税だから申告しなくてもいい」と思わないことが大切です。
■「贈与」ではなく「借りる」という方法とは違う
親から住宅資金を受け取る場合、
贈与なのか、親から借りたお金なのか
を明確にしておくことも重要です。
「あとで返すつもりだから借入れ」という認識でも、実際の返済状況や契約内容などによっては、税務上の扱いについて確認が必要になる場合があります。
反対に、返済する必要のないお金を「親から借りた」として処理するのも適切ではありません。
家族間のお金だからこそ、
贈与なのか
借入れなのか
いくらなのか
いつ受け取ったのか
何に使うのか
を明確にしておくことが大切です。
具体的な税務上の判断については、税理士や税務署などの専門家に確認が必要です。
■まとめ
住宅購入時に親や祖父母から資金援助を受ける場合は、単純に「自己資金が増えた」と考えるだけではなく、
① 誰から贈与を受けたのか
② いくら贈与を受けたのか
③ 住宅取得のために使うお金なのか
④ 贈与税の非課税特例を利用できるのか
⑤ 住宅ローン控除にどう影響するのか
⑥ 必要な申告や書類は何か
というところまで確認しておきたいところです。
特に、住宅取得等資金の贈与には期限や住宅性能などの条件があります。
「親から援助してもらえるから安心」と考えるだけでなく、もらったお金をどのように家づくりの資金計画へ組み込むのかまで考えておくと、住宅ローンや自己資金とのバランスも見えやすくなります。
家づくりでは、建てるためのお金だけでなく、家を建てた後の暮らしまで含めて資金計画を考えることが大切です。






