【プロが解説】段差をなくすメリット・デメリット
2026.11.06
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最近の住宅では、室内の段差をできるだけなくした「バリアフリー設計」が注目されています。
小さなお子さまがいるご家庭や、将来の老後を見据えた家づくりでは、段差の少ない住まいを希望される方も増えています。
段差が少ない住宅は、移動しやすく、転倒のリスクを減らすことにもつながります。
一方で、段差をなくすことにはメリットだけでなく、設計上の注意点もあります。
例えば、浴室や洗面所などの水回りでは、水が室内に流れ出ないような対策が必要です。また、空間の区切りがわかりにくくなることもあります。
今回は、一級建築士の視点から、住宅の段差をなくすメリット・デメリットと、家づくりで気をつけたいポイントについて解説します。
1. 住宅の段差をなくすメリット
① 転倒のリスクを減らしやすい
段差をなくす大きなメリットは、つまずきや転倒のリスクを減らせることです。
室内には、玄関の上がり框や部屋の境目、廊下と水回りの出入口など、意外と多くの段差があります。
普段は気にならない小さな段差でも、足元が見えにくいときや、急いで移動しているときには、つまずく原因になることがあります。
特に、
・小さなお子さまがいるご家庭
・高齢のご家族と暮らしているご家庭
・足腰に不安がある方
・将来のバリアフリーを考えている方
にとって、段差の少ない住まいは安心につながります。
② 家の中を移動しやすくなる
床の高さがそろっていると、部屋から部屋への移動がスムーズになります。
例えば、リビングから廊下、寝室、洗面所などへ移動するときも、段差を気にする必要が少なくなります。
また、掃除機やロボット掃除機も移動しやすくなり、日々の掃除の負担を減らすことにもつながります。
車いすや歩行器を使用することになった場合にも、段差が少ないことは大きなメリットになります。
③ 将来の暮らしにも対応しやすい
家は何十年にもわたって住み続ける場所です。
新築時には問題なく生活できていても、年齢を重ねることで、少しの段差が負担になる場合があります。
将来的に介助が必要になった場合にも、段差の少ない住宅であれば移動や介助がしやすくなります。
30代・40代で家を建てる場合も、将来の暮らしを考えて段差を少なくしておくことは、長く安心して暮らすための大切な工夫です。
2. 住宅の段差をなくすデメリット・注意点
段差をなくすことには多くのメリットがありますが、すべての場所で段差をなくせばよいというわけではありません。
① 空間の区切りがわかりにくくなる
段差には、空間を区切る役割もあります。
例えば、リビングと和室の間に小上がりを設けると、同じ空間の中でも自然に用途を分けることができます。
段差をなくして床の高さをそろえると、空間に一体感が生まれる一方で、場所によってはメリハリが少なく感じられることもあります。
そのため、段差をなくす場合は、床材や天井のデザイン、家具の配置などで空間に変化をつける工夫もおすすめです。
② 水回りでは水漏れ対策が必要
浴室や洗面所などの水回りでは、段差をなくす際に注意が必要です。
特に浴室は、床に水が流れる場所です。
出入口の段差をなくす場合には、浴室の防水性能や排水設備、床の勾配などを適切に計画しなければなりません。
水が脱衣室や廊下へ流れ出ないよう、排水方法や出入口の納まりを検討することが大切です。
見た目だけでなく、防水性や安全性まで考えた設計が必要になります。
③ 建物の構造や施工条件によって難しい場合がある
段差をなくす設計は、建物の構造や設備の配置によって実現が難しい場合があります。
例えば、
・排水管の勾配を確保する必要がある
・既存住宅では床下の高さに制約がある
・構造上、床の高さを自由に変更できない
・玄関や浴室など、必要な高さの違いがある
といったケースです。
特にリノベーションでは、新築と違って既存の構造や配管を活用する必要があるため、現地調査が重要になります。
すべての段差をなくすことにこだわるのではなく、安全性と施工条件のバランスを考えることが大切です。
3. 段差をなくすときに取り入れたい設計の工夫
段差の少ない住宅を実現するためには、家全体の動線を考えることが重要です。
具体的には、次のような工夫がおすすめです。
① 玄関の段差を工夫する
玄関には、靴を脱ぎ履きするための上がり框があります。
完全に段差をなくすことが難しい場合でも、段差を適切な高さに抑えたり、手すりを設置したりすることで使いやすさを高められます。
また、将来の車いす利用などを想定して、必要に応じてスロープを設置できるスペースを確保しておく方法もあります。
② 廊下と各部屋の床の高さをそろえる
廊下と各部屋の床の高さをそろえることで、室内の移動がスムーズになります。
特に寝室からトイレ、洗面所への動線は、将来の暮らしを考えて段差を少なくしておきたい場所です。
③ 和室や小上がりの高さを検討する
最近は、リビングの一角に小上がりの畳スペースを設ける間取りも人気があります。
収納を確保できたり、腰掛ける場所として使えたりするメリットがありますが、段差があることでつまずきの原因になる場合もあります。
小さなお子さまや高齢のご家族がいる場合は、使い方や安全性を十分に考えて採用しましょう。
④ 将来の手すり設置も考えておく
段差をなくすことに加えて、将来的に手すりを設置できるよう、必要な場所に壁の下地を入れておくこともおすすめです。
例えば、
・玄関
・廊下
・トイレ
・浴室
・階段
などです。
新築時に準備しておけば、将来のリフォームで壁を大きく壊す必要を減らせる場合があります。
4. 段差のない家は、小さなお子さまがいる家庭にもおすすめ
段差の少ない住宅は、高齢者だけでなく、子育て世代にもメリットがあります。
小さなお子さまは家の中を元気に走り回ったり、床に座って遊んだりすることが多いものです。
床の段差が少なければ、移動しやすく、日常生活の中でのつまずき対策にもつながります。
また、ベビーカーや子どもの荷物を室内で移動させるときにも便利です。
将来の老後だけを考えるのではなく、今の子育てのしやすさにもつながる設計といえるでしょう。
まとめ|段差をなくすことは、今と将来の暮らしやすさにつながる
住宅の段差をなくすことは、転倒リスクを減らし、毎日の移動をスムーズにするための大切な工夫です。
特に、これから長く住み続ける家では、将来の生活スタイルの変化も考えておきたいポイントです。
今回ご紹介した内容を振り返ってみましょう。
・段差を減らすことで転倒リスクを抑えやすくなる
・室内の移動や掃除がしやすくなる
・将来の車いすや介助にも対応しやすくなる
・水回りでは防水や排水の計画が重要
・建物の構造や施工条件によって制約がある
・段差をなくす場所と残す場所のバランスが大切
大切なのは、ただ段差をなくすことではありません。
ご家族の年齢や生活スタイル、将来の暮らし方まで考えたうえで、安全で使いやすい住まいを設計することです。
横浜市のアーキテック・デザイン 一級建築士事務所では、現在の暮らしやすさはもちろん、将来まで安心して暮らせる住まいづくりをご提案しています。
新築住宅の設計や、今のお住まいのバリアフリーリフォームについても、お気軽にご相談ください。
ご家族みんなが長く快適に暮らせる住まいを、一緒に考えていきましょう。
家づくりは、
間取りを決める前に、
暮らし方を考えることがとても大切です。
特に、横浜や湘南エリアは、
土地・通勤・教育・環境など、
バランスを取ることがとても重要なのです。
一級建築士の視点と、
工務店としての現場経験の両方から、
「長く無理なく住める家」をご提案します!
家づくりを始めるなら、
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